ガイドという自分

 In ヒロミのつぶやき

ガイドという自分ブログを下書きフォルダに溜めたまま、
ハイシーズンの今、慌しく月日が流れています。
まるツアーに参加された皆さんで
ブログUPを心待ちにして下さっている方、
本当にごめんなさい。
どうぞ気長にお待ち頂ければ嬉しいです。
さて、今日は、ガイドという自分について
ここで書かねばならない機会を頂きまして、
久しぶりに自分のつぶやきというカテゴリーで
書かせて下さい。
先日、何年も屋久島へ通って下さっている女性が
当店のリピーターさんとしていらっしゃいました。
大抵の場所は何度も足を運ばれていたので、
試行錯誤した結果、地元民の文化である
エビ獲りを体験してみませんか?と、
私たち夫婦は彼女を誘いました。
心情的には「知人と川へ遊びに行く」でした。
宮之浦川でシュノーケリングをしながら、
川の生きものたちを観察し、
その後、場所を変えて一湊川の上流である
白川の川へ行きました。
この場所は地球上でこの場所にしか生息しない
水の中で暮らす植物「ヤクシマカワゴロモ」や
遺伝的に他地域と比べると貴重なものである可能性が高い川魚などを
調査研究している川でもあります。
そんなことを実際に紹介し、観察しながら、
最後にエビ獲りを体験してもらおうと思いました。
実際にやってみると、難しいエビ獲り。
彼女はエビを1匹しか獲れず、私たち夫婦も合わせてエビ2~3匹。
そしてハゼがほんの数匹。
自分が捕まえた生き物がどんな生きものなのか観察した後、
自宅で天ぷらにして頂きました。
彼女は今まで生きていた生物が目の前で死に、
自分の口に食べ物として入ることに一瞬戸惑っていましたが、
口にした瞬間、その美味しさに思わず声をあげていました。
生と死が中々身近で感じることが難しくなった現代。
命を頂くってことはとても残酷で、
だからこそ、その命に感謝して頂かなきゃいけない。
そんなことを五感で感じ、伝えられる貴重な機会だと自分たちは考えていました。
当店はダイビングインストラクターが海を案内するお店ですので、
このようなことは当店のツアーでは今後も一切行いません。
しかし、世の中でこういう機会が少なくなっているからこそ、
ぜひ紹介したいなと思い、この「体験談」を
あまり深く考えず、ネット上で発言してしまいました。
その夜、ある方から、
「金儲けの為だったら何でもしていいのか?」
と、投げかけられました。
「一湊の人間が属する一湊川で、このようなツアーをすることは、
自分たちの文化が軽んじられているように感じてしまう」
と。
私は愕然としてしまいました。
自分は少なくとも12年間、この屋久島で
屋久島の人間として生きてきた中で、
「観光と屋久島」で大きく揺れ動く島民の心情を
目の前で観ていたにも関わらず、
何と軽率な行動、軽率な発言をしてしまったんだろうと。
その方たちと色々やりとりをさせて頂いた中で、
自分たち自身の行動・発言を反省し、
自分たちの仕事についても、とても考えさせられました。
ある人はブログに書かれました。
「屋久島は私の島ではなく、日本の、世界の島なのかもしれません。
それでも一湊川は、私や、一湊をふるさとと呼ぶ多くの「私たちの」川だと言いたい。
追付いする業者が出ないことを、切に願います。
ガイドと呼ばれる人たちが、こんな人ばかりではないと思いたい。」
と。
私たちは彼らのその奥深い所にある心の部分に、
安易に踏み込んでしまいました。
自分はガイドです。
この職業で私たちが骨にしている部分はインタープリテーション。
自然の言葉をわかりやすく「通訳」して、
その場所を訪れた人に伝えることです。
と、同時に、自分たちはこの屋久島で人知れず失われていく
動植物たちや、それを取り巻く環境を目の当たりにしてきました。
観光業は観光にいらして下さる方がいなければ成り立ちません。
けれど、自分が自然の中を案内することで、
少なからずその環境やそこで暮らす人に対して負荷をかけている。
それでも、自分が今、目の前で観ている事実を伝えることは
その人の自然観が目覚めるきっかけになるかもしれない。
そのことが、次世代に引き継がねばならない自然を
保持する為の大きな力になるかもしれない。
そう信じて、この仕事に誇りを持ってやってきました。
でも、本当は矛盾だらけ。
この矛盾を抱えたまま、変化してゆく自然を
自分は覚悟を決めて見続けるのだと決意しています。
「あと20年で地球上からサンゴ礁が絶滅する」という研究者の発言に対して、
心の奥深い所で絶望している自分もいます。
けれど自分は海で働く者として、そこから眼を背けず、
目の前で起こっている事実を伝えていきたい、
そう覚悟を決めています。
けれど、本当は矛盾だらけ・・・
大切な場所、人がまだ踏み込んでいない場所に
新たに人を案内することが本当に正しいことなのかどうか、
きっと私は答えを出せません。
でも、今回の件に限って考えると、
ある人が厳しくおっしゃられたように、
私たちの行動や不特定多数の人に向けたネットというツールでの発言は
本当に軽率だったと思います。
今回の件で自分の言動や行動は本当に慎重に行わなければならないんだと
改めて強く思いました。
「ケジメのないガイドがいるから、私たちはガイドが嫌いなんだ。」
とある人は言いました。
私たち夫婦がしてしまったことに対して、
同業者の皆さんまで同じような目で見られてしまう・・・
今回、色んな方へご迷惑、ご心配をおかけしてしまい、
本当に申し訳ありませんでした。
今後、自分たちの置かれた立場や、自分の職業に対して
もっともっと深く考え、慎重に行動しようと思います。

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Comments
  • ゴリ
    返信

    こんばんはぁ。ミクシーで御世話になってるゴリです。ツイッターを拝見して、こちらこさせてもらいました。一連の流れは理解させて頂きました。書いておられる通りネットに載せると言うのは軽率だったのかもしれません。ただ,今回のことは双方にとっていい機会になるのではないでしょうか?これまでグレーゾーンだった部分が一部明らかになりました。これを機会に御互い腹を割って話あうべきだと思います。地元民だから屋久島を思っている、外から来たから、何も思ってない。こんな線引きは少しおかしいと思います。私も屋久島の自然に感銘を覚えた一人として、何とかよい方向に向かって貰いたいと思っています。