屋久島のサムライ

 In ヒロミのつぶやき

屋久島のサムライ先日、東京より私の母親が来島した。
結婚式以来、3年ぶりの再訪だ。
滞在中の宿は送陽邸。
3年前の秋、ここで披露宴をあげたのだった。
三岳を飲みながら遅い夕飯を頂く。
久しぶりの三岳が私の心の扉をあけたのか、
宿のお父さんがこんな話を受け止めてくれるとわかったからか、
私の中で鬱積していたものたちが
口から溢れ出し止まらなかった。

今年のサンゴのモニタリング調査で
各ポイントを比較した上での
どんどん悪化する現在の元浦の状況について。
意味があるのか
新たに作っている志戸子の沖堤防について。
サンゴの研究のトップを走る
野島先生がおっしゃった言葉・・
「この30年間で地球上のサンゴ礁の大部分が消滅するだろう」
様々な事象が私の心に棘となり、深く突き刺さっている。


自然ガイドの仕事を始めて6年。
まだまだヒヨッコだと思っているが、
それでも常に最前線で自然の変化を観察してきたつもりだ。
島を訪れた方々は言います。
「屋久島の自然は素晴らしい。
沢の水が飲めるなんて信じられない。」
でも、ちょっと待って。
昔の日本ではどこでも沢の水が飲めたのでは?
ではなぜ今飲めなくなったのか?
屋久島の自然は類い稀な自然。
確かにそうなのだが、
しかし、屋久島に繁る照葉樹林と呼ばれる森は
かつては西日本一体に存在していたのだ。
ではなぜ森を失ったのか?
屋久島の自然はかつての豊かな森を有した日本の縮図にすぎない。
かろうじて屋久島に残っている。
最後の砦なのだ。
その砦の中で我々ガイドは発信しなければならない。
その使命は重い。
自然の中で好きな仕事ができて羨ましい。
そう多々言われるが、
私の仕事は自然相手ではない。
人間相手のガイドなのだ。
そして、自然の中で仕事をするということは
その変化を常に見ているということだ。
だんだんと魚がいなくなる海。
だんだんとサンゴが死んでいく様。
ナチュラリストの究極の思考は
「人間さえいなくなれば、自然を守れる」
自分の中で
常に矛盾と戦っている。
それでも、私は発信しなければならない。
残された自然と、その未来について。
これって
「サムライ」
みたいだよね・・
追記
写真は今回の環境省サンゴモニタリング調査で潜った
元浦より、えぐられた山肌を写したもの。
元浦の環境悪化の原因の中で
この採石場が大きな要因の一つであるという事実は否めない。

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